–目次–
第1序論
第2本論
第3 結論
1 問いに答える
2 勝負の分かれ目
第3 結論
1 問いに答える
4のナンバリングでは、問いに対する結論を示す。
信義則に違反するかを論じただけでは、問いに答えたことにはならない。
設問2の問いは本件貸金債権の第2訴訟における審理・判断の可否1つであるから、最後は本件貸金債権全体について、その審理・判断が可能かどうかを示さなければならない。
本件貸金債権のうち既判力が及ぶ250万円部分については2のナンバリングで、既判力の及ばない200万円部分については3のナンバリングでそれぞれ論じた以上、
それらをまとめ、問いに対する結論を出すために、4のナンバリングを用意する必要があるのである。
2 勝負の分かれ目
・メインは何か
設問2のメインは、何か。
信義則の適用がメインだ。
そう思う人もいるかもしれない。
しかし、信義則の適用はあくまで例外的な場合である。
例外は、原則がなければ生じない。
原則である既判力についてしっかりと論じる事ができなければ、信義則の検討はできないのである。
・どこで差がつくか
差がつくのは、信義則の検討にどのようにして辿りつくかである。
問いに答えるためには原則として既判力を検討するのみでよいのだから、まずは既判力の適用についてしっかりと論じる必要がある。
その上で、信義則の検討をすることになる。
・順序を踏む
思いついた内容を、ただ論じればいいのではない。
それをどのような順番で論じるか、適切な順序を踏むことは非常に重要である。
既判力の適用については、範囲と作用についてそれぞれ論じる必要がある。
信義則違反を検討するのは、それからである。
このように、適切な手順を踏んで問題を検討できるかが、勝負の分かれ目になるといえる。
もっとも、既判力について範囲と作用を意識的に分けて検討するなど、既判力の検討について充実した論述ができる受験生がそもそも少数ではないだろうか。
・全体を俯瞰する
設問2は、第1訴訟を全体としてみて判断する必要がある。
本件貸金債権について、既判力の検討にとどまらず、訴訟の過程をみた上で信義則の検討も行わなければいけない。
既判力と信義則はレベルを揃える必要がある以上、それぞれを独立したナンバリングで論じるべきである。
既判力と信義則をそれぞれ独立したナンバリングで検討しているかを確認すれば、答案を書いた人がこの問題を理解しているかはおおよそ確認できる。
信義則にたどり着けていれば、既判力についてそれなりの検討はできていると考えられるといえるからである。
信義則の具体的な適用は、細かな部分に過ぎない。
まずは大枠としての判断枠組みが整っているか。
内容にこだわらなくとも、構成だけで合格推定は働くのである。
・構成以外の注意点
もっとも、構成以外の部分でも見るべき点はある。
114条2項についての解釈、それに対するあてはめはどうか。
信義則の適用に対して判断基準を示せているかどうか。
こういった部分についても、注意して論じていく必要がある。
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