–目次–
第1序論
第2本論
第3 結論
1 問いに答える
2 勝負の分かれ目
第3 結論
1 問いに答える
・結論を示す
3のナンバリングでは、問いに対する結論を示す。
殺人未遂罪と殺人罪についての成否を論じただけでは、問いに答えたことにはならない。
答えるべきは甲の罪責であるから、最後は甲の罪責が何かを示さなければならない。
問題となる甲の行為が2つあり1と2のナンバリングでそれぞれについて論じた以上、
それらをまとめて問いに対する結論を出すために、3のナンバリングを用意する必要があるのである。
・罪数ブロックの重要性
3のナンバリングでは、罪数について論じることになる。
複数の犯罪が成立した場合、罪数処理を行う必要があるから、多くの受験生は、罪数処理に独立したナンバリングを設けるであろう。
罪数処理自体には大した配点はないかもしれない。
しかし、罪数のブロック部分には、罪責を答えるという部分も含まれている。
問いに答えることは、もっとやらなければいけないことである。
罪数のナンバリング部分は、もっとも重要な要素が含まれている部分なのである。
2 勝負の分かれ目
・問題のテーマ
この問題のテーマは実行行為性である。
後に乙の罪責についても触れるが、乙の罪責を検討する際に問題となる犯罪は検討すべき点がそれほど多くなく、淡々と文言に当てはめて処理すべきものが多い。
問題の重点は、甲の罪責の検討にあるとみるべきだろう。
そして、甲の罪責で検討した2つの犯罪では、いずれも実行行為性が問題となっている。
これらの事情から、この問題のテーマは実行行為性だと判断できる。
・全体を見る
問題は全体を通して判断するものである。
今回は甲の罪責しか検討していないが、現場では甲と乙の両方の罪責を検討することになる。
甲と乙の罪責について、それぞれ論じるべきことを確認し、どこにどれくらい答案の分量を避けるのか決定していくことになる。
闇雲に解釈を展開していては、答案がパンクしてしまう。
詳細に論じるべきところは詳細に論じ、簡潔にすべきところは極力コンパクトに論じることを心がける必要がある。
このような判断を現場でできるかが、勝負の分かれ目となるだろう。
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